知らない幸せ?

職場でのこと。
私の島のPC、いくつかでは、妙な音がすることが多い。
何かのソフトを起動した瞬間から、ウィーンという音がする。
ヘルプデスクさんによると、ファンが回ってる音らしいのだが。
それが少し耳障りだと、「誰のPCかなあ?」と犯人を捜してみることもよくあった。

そんなある日。
私のPCのその音があんまり高いので、そのタイミングを逃さず、ヘルプデスクさんを呼ぶことにした。
すると、ヘルプデスクさん。
「このPC、この中で一番古いPCだから、いい加減、新しいPCを申請したら?」

へ?
一番古いPC?

でも、経費削減圧力が激しい今日この頃。申請して通るのか?

「大丈夫、このPCなら、ノーチェックで通るから。」

そんなに古いのを、だましだまし使ってたってこと?

言われてみて、周囲のPCを調べてみると・・・、確かに、私のPCがぶっちぎりで古かった・・・。

・・・それまで、あんまり不自由に感じたことなかったんだけど。


その事実を知ったあと、数日。
PCの起動時間がやたら長く感じるようになった。
そして、それぞれのソフトの起動時間や、アプリケーションの切替時の反応の遅さも、なんとなく気になるようになってしまった。

それで、思わず、「自分のPCが古いってわかったら、処理スピードの遅さがやたらと気になるんだよねー」とつぶやくと、
となりの女性も一言、「知らなかった方が幸せってこともありますよね〜」・・・と。

ん?知らなかった方が幸せ?
・・・この一言、妙にひっかかりました。

知らなかった方が幸せ、・・・うーん。

確かにね、自分ではどうにもできない話については、知らなかった方が幸せ、ってあると思うんです。

でも、自分でどうにかできる話だったら、知らない方が幸せ、っていう話はないと思う。
そのタイミングで情報を知らせないで、後で、その情報を聞いたら、悔しいよ。

そのことを聞いて、私は母が昔言っていた一言を思い出した。
「子どもにはね、いろいろ選択肢を示さず、これ、と言った道を決めてあげた方がいいの。
子どもは迷うから」

私はその言葉に、大変反発した気がする。(内心で反発したのか、口に出して反発したのかは覚えてないが)

確かに、選択肢が多すぎる中で、ひとつを選択するということは、難しく、悩むものなのかもしれない。
でも、選択肢がない、「それ」か「それじゃない」しか選べない状況っていうのは、つまらない人生だと思う。
もっとよくないのは、選択した後で、自分には別の選択肢もあった、と気づくことだ。

私は、今、自分で納得感のある人生を送っている。
それは、今まで、自分の人生における重要な岐路で、自分自身で考えて、決断してきた、と思っているから。

正直、それは、そんな母から、離れた後で、そういう人生を送れるようになった気がしている。
母と一緒にいる間は、母の価値観の中から抜け出せなくて、そのときはそうは思ってなかったけど、後で考えると、制約の中で生きていた気がする。
(うちの)母というのは、何かと自分の価値観を押し付けてくるようなところがあったので。
私は、高校を卒業して、一度母から離れて暮らしていたのだけど、今、考えると、それは本当に良い選択だったと思う。

だから、私は、子どもには、選択肢は示した方がいいと思うけど、決断は子どもに任せたい、と思っている。
「納得感のある人生を送ること」。
私が、今、幸せだと思っているけど、それは、そのひとことに尽きる。
子どもにも、幸せな人生を歩んでほしいので、それには、自分で考え、自分で決断する、ということの繰り返しを主体的にできなくては、と思うのだ。


で、話戻って、表題の「知らない幸せ」ですが。

本当に自分にはどうにもならないことは、知らなくていいんだろう、と思う。
例えば、恋愛について、浮気をしかかっている自分のパートナーの「本心」なんてことは、知らなくてもいいと思っている。
はっきりいって、知ったところで、人の気持ちはどうしようもないことだから。
また、その人の生まれつきの欠点について、他人が悪口を言ってた、なんてことも、特に知らなくてもいい。
例えば、身体的特徴みたいなことは、変えられないことが多いので、それについて、いちいち傷ついててても、しようがないし。
そういうことを本人に知らせないのは、慎み、ということだと思う。

でも、その人に、どうにかできる話だったら、知らせてあげる方がいいんじゃないかな。
例えば、若い子が見当違いのことをしていたら、ほったらかしにしておく人よりも、それを教えてあげる人の方が親切心を感じる。
例えば、人生相談を受けたときに、その人がひとつの選択肢に凝り固まっていたら、可能性がゼロに近い話でも、別の選択肢を提示してあげることで、固定観念から脱出できるということもありうる。
そういうことを、わかっていて本人に知らせないのは、不親切、だと思う。

まあ、難しいのは、その人にとって、それがどうにかできるかできないかを判断することかもしれないけど。
例えば、性格の悪さというのは、直せないことも多いけど、場合にとっては直せることもあるだろうから。


また、そういう意味では、人間は、勉強や情報収集をするべきだ、とも思う。
特に、立場の弱い人は、主体的に積極的にそうする方がいい。
立場の弱い人は、知らされないことで、さらに立場の弱いところに追い込まれるものだから。

(なお、格差社会や、女性の専業主婦願望、というトピックは、「選択肢を知らされない不幸」から来ているような気がします。
今は、知らなければ食いものにされかねない世相なんだから、自分を縛り付けているものから自由になって、視野を広く持って、よく勉強しなくっちゃ、不幸なままだと思うよ。)

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No title

「知らぬが仏」ということもあるんでしょうね(微妙に意味が違うかもしれません)。
また、さちまねきさんのおっしゃるとおり、どうしようもないことについては、周りから指摘してもしょうがない事もありますよね。
で、これは年齢にも比例するのかな?ともおもいます。
若いときなら、どうにかなることもたくさんあるけれど、年を取ると性格もそうだけど、記憶力も「すでにちょっとやそっとじゃ、どうにもならなくなってくる」というのか(苦笑)。
今、職場に29歳の中途採用の子が入ってきたのですが、意外と経験が少なく、先輩と私で、口をすっぱくいろいろと指摘しているのですが。。。「今ならなんとかなるんだから、私たちみたいに年をとってからでは勉強しても、どうにもならなくて困るのよ」と親切心で言っているけれど、「老婆心かな?」と思うところもアリ。
そう考えると、私なんかは、そろそろ、「言っても無駄」な年齢に突入しつつあり、知らないほうが幸せなことも多くなっていくのでしょう。。悲しい。
せめて、心だけはいつまでも柔軟に若くいたいものです(爆)。

ちゃいさんへ

コメントありがとうございます。
知らない方が幸せなこともある、と言われて、思わず、そんなことないよ!と言おうとした言葉を呑み込んでしまったためにこんな記事になっちゃったのですが(笑)。
確かに、年を経ると、なまじ自分に経験があるだけに、他人の言うことを受け入れられない、ってことはありますよね。自戒しなくては。
29歳の子についてですが、他人に対する指摘というのは、難しいですよねえ。
私は今、慣れない仕事を手伝っていて、その中でちょこちょこミスをしてしまい、その中で先輩方にいろいろ指摘を受けているのですが。
そこで指摘を受けるから今後自分のミスを減らすことができるんだ、とよくよくわかっていても、やっぱり、一応凹みます。
そんなとき、「私もそういうときにやっちゃうんだけどね」とか、「忙しいときだったとは思うんだけど」とか、軽くフォローを入れてもらうと、凹みすぎずにすんだりします。そのフォローは、指摘を受けるときに同時でもいいし、指摘するのとは別場面でもいいんですけど。(ただ、今度は、そのフォローの言葉に気を緩めないように、自分の気持ちをコントロールしなくちゃ、と思いますけどね。)
参考になれば。
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さちまねき

Author:さちまねき
2005年11月に長男を出産し、2006年4月より職場復帰したWorkingMotherです。

ハハとしての想いや、お仕事との両立のこと、子供の成長レポート等、身のまわりの話を背伸びせず書き綴っていけたらと思います。
(最近は、自分の育てられ方をふりかえったり、日々の発見を披露したり、世の中のことで思うことを書き綴ってみたり、背伸びした内容になってしまうことも多いです^^;。)
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